ハイチの地震、専門家が事前に警告
【ワシントン=山田哲朗】米地質調査所(USGS)によると、ハイチの北方海域には、北米プレートとカリブプレートの境界があり、カリブプレートが東に年約2センチ・メートル動いている。プレートが押し合う場所にある日本列島と同様、プレートの力によって断層が生まれやすく、地震の多発地帯だ。
ハイチには東西方向に走る大きな断層帯が2本あり、今回の地震は、南方の「エンリキロ断層」と呼ばれる横ずれ断層の東寄りの部分で起きた。
この断層の付近では、1751年と70年を最後に、大きな地震は起きていなかったという。USGSの地震学者らは2008年、一帯の岩盤にひずみがたまっており、この力が一度に解放されれば最大でマグニチュード7・2の大地震が起きると警告していた。
米国の専門家は、地震被害が拡大した要因として、浅い震源で起きた大地震が、近くにある人口密集地を直撃した不運を挙げる。さらにハイチでは、建築物の安全性確認が不十分なため、脆弱(ぜいじゃく)な建物が崩れて人が下敷きになるケースが相次いだ。
(2010年1月14日15時05分 読売新聞)
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