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飼い主と共に被災した犬猫などのペットが、行き場に困るケースが急増している。宮古市では動物病院などが避難所で受け入れられないペットを保護しているが、ほぼ満杯状態。避難所では、ペットの存在が飼い主の癒やしとなっている一方、動物との共同生活が住民間で問題を起こすことも少なくない。被災動物の保護は今後も増えることが予想され、受け入れ態勢の拡充が急がれる。
飼い主と共に被災した犬猫などのペットが、行き場に困るケースが急増している。宮古市では動物病院などが避難所で受け入れられないペットを保護しているが、ほぼ満杯状態。避難所では、ペットの存在が飼い主の癒やしとなっている一方、動物との共同生活が住民間で問題を起こすことも少なくない。被災動物の保護は今後も増えることが予想され、受け入れ態勢の拡充が急がれる。
宮古市宮町のグリーン動物病院には21日、市内で衰弱していたところを保護されたシバイヌが運び込まれた。田口庸蔵院長(62)は血液検査や点滴後、回復するまで保護することにした。犬には首輪の跡があり、津波で避難する際に飼い主が逃がしたことも考えられるという。
同病院では、犬猫30匹やオウムなどの鳥を保護。部屋はいっぱいで、スタッフ3人が毎日世話をする。ほとんどが避難所に連れて行けなかったペットだ。
宮古市では同病院など3カ所で、被災動物を飼い主が元の生活に戻るまで保護。田口院長は「今後は震災で飼い主を失ったペットの保護も増える。被災した沿岸で受け入れるのは難しく、全県で里親を探していく必要がある」と指摘する。
避難所でも、ペットの扱いは悩ましい問題だ。約370人が避難する宮古小では、犬と一緒に体育館内で生活する飼い主が10人ほどいる。避難間もないころは興奮してほえたり、校内でふんをするなどし、ほかの住民から苦情が相次いだという。
そのため学校側や住民代表は、外に出た犬は体を洗うなど衛生面に気を付けることを飼い主と確認。主に小型犬だったこともあり、今は共同生活を容認している。
同校の川上良治副校長は「大災害の後だけに、ペットを心の支えにする飼い主から引き離すことはできない。話し合いを重ねて、共生の形を考えるしかない」と理解を求める。
【写真=保護されたシバイヌを診療する田口庸蔵院長(左)。このような被災動物の受け入れが課題となりそうだ=21日午前11時すぎ、宮古市・グリーン動物病院】
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