福島第一原発から60キロ離れた福島市内で、基準値の4倍に上る放射線量が計測されたことを同市内の市民団体が発表した。福島市の住民からなる同団体は、子供と妊婦を対象にした避難措置を求めている。
30万人の人口を抱える福島市内で行われた放射線計測では、1キロ当たり46540ベクレルの放射性セシウムが計測された。日本におけるセシウムの基準値は1キロあたり10000ベクレルである。同市民団体によれば、この数値は、1986年のチェルノブイリ原発事故でソビエト当局が住民避難を決定した際の放射線基準値を超えているという。
「進む土壌汚染」
福島市内の別の場所で3回行われた放射線計測でも、1キロあたり16290ベクレルから19220ベクレルという基準値を超える数値が計測された。放射線被曝の専門家である神戸大学の山内教授は「市内の土壌汚染が進んでいる」と警鐘を鳴らす。同教授によれば、「土で遊ぶ子供達は高濃度の放射性物質で遊んでいるようなもの」で、出来るだけ早急な避難が必要だという。
原発事故以降、合計16万人の近隣住民が避難を余儀なくされ、そのうち約半分は一時帰宅することができたが、原発周辺20キロ圏内に住んでいた住民達は未だに自宅に戻れないままだ。東日本を襲った巨大地震と津波により発生した福島第一原発事故は、すでに大気と海、そして福島の土壌に重大な放射性物質放出をもたらしている。
0 件のコメント:
コメントを投稿