4.12.2012

倫理の欠如

脱原発に躊躇するというのは倫理の欠如という誹りを免れない

3月22日、参院予算委員会の公聴会が開かれました。

福島第一原発の4号機プール、そして敷地内の共用プールに格納・冷却されている使用済み燃料の状況について、国会議員たちに説明されました。元スイス大使の村田光平氏の質疑の受け答えは、日本の進むべき未来を指し示すものであり、議員の側からの質問が相次いでいます。また、質問した議員たちは、深く感銘を受けたようです。


公称人:元スイス大使・村田光平氏の意見
00:30:30~

村田光平氏:

このような場で発言させていただくことは、大変光栄に存じます。


今日、ここに参りますに当たりまして、特に、みなさま方に伝えたいことがございます。


それは、いかに現在、日本、そして世界が危機的状況に直面しているかということであります。


人間社会が受容できない、この原発のもたらしうる惨禍のリスク、これをゼロにしなければならない、と私は福島事故は全世界に想起させつつあると信じております。


そして、このような事故を体験しながら、なお脱原発に躊躇するというのは倫理の欠如という誹りを免れないと、私は考えております。


特に、この処理方法がいまだに発見されていない核廃棄物、これに象徴されるのは、今の世代の倫理の欠如と言えると思います。


そして、これは人類が緊急に取り組まなければならない課題だと信じております。


そして、この放射能汚染と、これを許すあらゆる行為は、計り知れない害悪を永久に人類と地球に残すものです。


私が出席した2005年のOBサミットは最終文書で、「未来の世代を含む、すべての人の認められる人権」ということで、未来の世代の人権を認めているわけですが、放射能汚染は、まさにそれを蹂躙するものであります。


原発の死角、使用済み燃料は過去に危機的な状況を何度も引き起こしてきた

特に今日、みなさまにお伝えしたいのは、福島4号機の危険な状況でございます。


毎日、日本すべての国民は、余震が起きるたびに怯えております。


この燃料プールが、もし崩壊して、1535本の燃料棒が大気中で燃えだした場合には、果てしない放射能が放出されると。


もちろん、東京は住めなくなるわけです。


この1353本という数字は、実は控えめでございまして、つい数日前、私が発見した数字がございます。


それは、1号から6号、共有のプールがございまして、それは4号機から50メートル離れたところでございますが、そこに、なんと6375本の燃料棒が収められていると、いうことであります。


まさに、この4号機が事故を起こせば、世界の究極の破局の始まりと言えるわけであります。

それにも関わらず、嘆かれるのは、危機感の欠如であります。

―――☆☆☆☆☆―――

ここから村田光平・公述人に対する質疑に入ります。
00:43:52~

外山斎(とやまいつき)議員(民主党):



民主党の外山斎でございます。


今日は公述人のみなさま、貴重な後述をありがとうございます。それでは村田公述人に、ご質問をさせていただきます。


さきほど、福島第一原発の4号機が、大変危ないというお話がありましたが、私たちも震災発生後、また原発事後が発生した直後から、この4号機の問題に関しては、大変、危ないんじゃないかというふうに、いろいろ議論をさせていただいております。


その中で、ずーっと思っているのが、この福島第一原発4号機の問題というには、たぶんすべての、日本全国の原発に同じような状況が起こる可能性があるのではないかというふうに思っております。


ただ、残念ながら、我が国は最終処分場も含めて、使用済み核燃料の処分場が決まっておりませんが、今、この4号機と同じような核燃料プール、他の地域のですけれど、それをどのように対応しなければならないとお考えでしょうか。


村田光平公述人:

あまり知られていない事実は、これから数十年にわたって、厳密な管理をしていかなければ、いつでも大惨事が起こりうるということ


ご指摘のように、すべての原発に共通の問題でありまして、あまり知られていない事実は、これから数十年にわたって、厳密な管理をしていかなければ、いつでも大惨事が起こりうると。
そういうことでございます。


そういうな中で、私が二つを特記しましたのは、この二つが即、世界全体に及び得るという点で、緊急の対応を必要とする、そういう主旨でございます。


それにしても、なんと未来の世代の代表となるべく志してきた立場の者としまして、この廃棄物に象徴される倫理の欠如、これは真剣に反省しなければならないと、そのように信じております。


外山斎議員:

お答えを、ありがとうございます。


まあ、六ヶ所の問題もあるわけですけれど、核燃料サイクル、私は、どちらかというと大変厳しい状態に置かれているのではないかな、というふうに思っております。


しかしながら、どんどん使用済み核燃料というものが増えてきております。
最終処分場が、この国にはまったくない中で、最終処分場の候補地として手を挙げようかなとすると反対の住民運動が起こる。


ただ、これを外国に持っていけばいいという話もありますけれども、私は、そういう無責任なことはできないのではないのかなと思っております。


どのように最終処分場を含めてですね、我が国としては、解決をしていかなければならないのか。どのようにお考えでしょうか。


村田光平公述人:

再処理工場は1日で原発が1年に放出する放射能を出す危険なもの


そもそも、このような放射性物質を作ることをすぐに止めなければならないはずであります。
その原点に立って、ものを考えなければ解決しない問題だと思います。


私は、夏までにも、脱原発政策の日本政府としての政策を確立して欲しいということを私は叫んでおります。


そういう政策の確立がない限り、たとえば電気料金が上がるにしても、それをやれば、福島のような事故を避けられるという考えであれば、国民も納得して高い電気料金を払うはずであります。


しかし、脱原発政策の確立なしには、解決はありえないと思います。そして、廃棄物の問題も、まさにそうだと思います。


そして、この現状が続けば続くほど、たとえば再処理工場は1日で原発が1年に放出する放射能を出すという、それほど危険なものであります。


事故が起きなくても、近辺に害を与えているわけでございます。
この放射能の持つ倫理性、本当に真剣に考えるべきだと思います。

倫理の欠如、不道徳という問題でございます。



浜田昌良議員(公明党):
02:13:53~


村田公述人に、北朝鮮の問題をお聞きしたいと思っているんですが、いわゆる北朝鮮のミサイル発射というんですか、人工衛星打ち上げ問題があります。


その中にあって、3月26、27日にソウルで核セキュリティ・サミットがあるんですね。6ヵ国協議の北朝鮮以外の5ヵ国が集るんですよ。

このときに、どういうメッセージを出すのか、求められているんですよ。


そういう意味では、核廃絶を進めておられる中にあって、この核セキュリティ・サミットで、どういうメッセージを日本が主導しながら出すべきかについて、ぜひ、お答えいただきたいと思います。


世界は、日本の実態を知り尽くした


私の立場は、一貫しております。

北朝鮮に、核の問題で日本が迫る際に、今の日本のダブルスタンダードの恩恵を受けている日本の立場では、説得力を持ち得ないと思います。


そして、福島事故を経験した今こそですね、民事・軍事を問わない核廃絶を伝えるべきだと、私は先ほど、夏前までに、と言いましたが、次の会議までにもやるべきではないかと。


そして、先ほど申しましたように、今の本当の危機的状況というのは、脱原発を早める状況になりつつあると。


世界は、日本の実態を知り尽くしたんです。
一週間前は、ドイツが原子力ムラの衝撃的なものを放映しました。


多くの友人から衝撃を受けたと聞いております。


もう福島は世界の問題になったと。
そういうことでございます。



転載ここまで、

続きはこちら★カレイドスコープ★さんへ

原子力独裁に切り込んでいる村田氏の質疑などがまだまだ続きます。

「いまだ残存する原子力ムラの諸政策は必ず頓挫する。世界は、そのように動いていることを原子力ムラは認識できない」と・・・・


また、

「放射性セシウムの量は、4号機だけで、戦後、大気中で行われた核実験すべてものと同じ」

そして、


「4号機につきましては、放射性セシウムの量は、4号機だけで、戦後、大気中で行われた核実験すべてものと同じである」


と話されています。。。

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